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2月22日午前、ニュージーランド南島で発生した地震は、わが国からの語学研修生など、200名を超える死傷者・行方不明者を出しました。被災された皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、本県における学校等の公共施設の早期の耐震化の必要性を痛感いたしました。
また、チュニジアやエジプトをはじめリビアなど、中東地域における民主化運動とその制圧に向けた行動は、地域の人々の生命・財産はもちろん、わが国をはじめ世界の政治・経済情勢にも重大な影響を及ぼしており、早期の平和的解決を望むものであります。
2月8日に開会した2月定例県議会は、代表・一般質問、委員会審査を経て、3月8日、委員長報告・採決の後、閉会しました。
2月定例県議会に提出された議案は、湯﨑知事のマニフェストに沿って策定された「ひろしま未来チャレンジビジョン」に掲げた「人づくり」「経済成長」「安心な暮らし」「地域支援」の4分野に重点配分した9,300億円余の当初予算をはじめ、条例案など72件でありました。
広島版「産業革新機構」につきましては、我が会派としては、これまでの常任委員会や本会議で、ファンドというリスクを抱える投資に税金が投入されることへの懸念や特定の企業へ支援することの公平性の課題などについて指摘するとともに、産業革新機構に係る予算を削除する修正案を予算特別委員会及び本会議に提出しましたが、残念ながら、過半数の賛成が得られず、原案が可決されました。
以下、その概要についてご報告いたします。
《知事提案理由説明の要旨》
1 県政推進にあたっての所信
(1)「仕込みと基盤づくり」から「実行」へ
知事就任2年目の平成23年度は「実行」の年と位置付けている。私は、平成21年11月に知事に就任し、この議場で、「広島県の力を最大限に引き出し、人づくり、経済、暮らしなど、あらゆる分野で、新たな活力を生み出すための様々な挑戦を行う」ことを誓い、広島県知事としてのスタートを切った。
平成22年度は、私の県政の実質的なスタートの年であり、新たな挑戦のための「仕込みと基盤づくり」の年と位置づけ、「瀬戸内 海の道構想」の実証事業を行うなど、重要プロジェクトに着手するとともに、各種の計画を策定してきた。具体的には、本県の総合計画である「ひろしま未来チャレンジビジョン」により、概ね10年後の目指す姿を描き、これを実現する取組の方向や戦略を示し、このビジョンを支える行財政面での基盤づくりのために「行政経営刷新計画」と「中期財政健全化計画」も併せて策定した。
また、このビジョンの着実な推進を図るため、各分野の基本計画となる「みんなで育てるこども夢プラン」や「農林水産業チャレンジプラン」なども並行して策定し、さらに「環境基本計画」や「社会資本に関する未来プラン」などについても、年度内の策定に向け取り組んでいる。
これらの計画の策定に際しては、各分野における本県の「強み」と「弱み」を徹底的に分析した上で、「弱み」を克服し、さらなる「強み」を引き出すという観点から、具体的な方策を示すこととしている。新たな県政の「仕込みと基盤づくり」から「実行」へと移行するに当たり、これらの計画の着実な推進を目指すべく、各種施策に取り組む。
(2)「見える県政」の推進
私は、就任以来、県政に関するメッセージを発信して「見える県政」の推進に積極的に取り組んできた。
情報公開制度の充実をはじめ、定例記者会見の動画配信や首都圏や海外でのトップセールスなど、様々なメディアを活用して県政の情報や本県の魅力を発信するとともに、「宝さがし」や県・市町懇談会を実施するなど、県民の皆様や各自治体との双方向のコミュニケーションも図ってきた。
さらに、「広島県経済財政会議」を設置し、有識者から県政運営全般について意見をいただくとともに、県民の皆様の参加の下、外部の客観的な視点により事業を点検する「事業仕分け」なども実施してきた。
私は、この1年間、まずは県民の皆様に県政に対する関心を高めていただくことを進めてきたが、今後、理解を深めていただき、さらに、意見を持っていただくことで、最終的には県民の皆様の行動につなげていきたいと考えている。
そして、このような県民の皆様の行動によって、「ひろしま未来チャレンジビジョン」の施策がより良いものとなり、県民の皆様の力により、より良い広島県、より活力ある広島県づくりを強力に進めることができると考えている。
このため、平成23年度においては、「ひろしま未来チャレンジビジョン」をテーマに、私自身が出向いてプレゼンテーションを行い、県民の皆様と意見交換を行う取組を新たに実施するとともに、戦略的な広報を実施するための体制を強化するなど、県政への関心から県政への理解に向けて、強力にメッセージを発信していく。
(3)3つの視座の徹底
県政は県民の皆様のためにあるという基本認識に立って物事を判断する「県民起点」、県民の皆様の生活や仕事の場を常に意識して仕事を進める「現場主義」、予算の獲得や単純な執行を重視するのではなく、事業目的を明確にし、それに沿った成果を生み出すことを重視する「予算主義から成果主義への転換」という3つの視座が、全ての職員に浸透し、組織文化となることにより、どの都道府県にも負けない日本一強い県庁を目指すことができるものと考えている。
2 平成23年度県政運営の基本方針
(1) 平成23年度重点施策】
・「ひろしま未来チャレンジビジョン」
将来にわたって「広島に生まれ、育ち、住み、働いて良かった」と心から思える広島県の実現を基本理念とし、この基本理念の実現のため、本県の目指す姿を県民の皆様と共有し、共に新たな広島県づくりを進めようという思いを込めて、このビジョンを策定した。
その策定過程においては、2つの大きな潮流の変化を見極めながら作業を進めた。
まず第1は、人口減少と少子高齢化である。本県の総人口は、平成10年の288万5千人をピークに減少に転じ、今後は、その減少幅が更に拡大する見込みである。特に、15歳以上65歳未満の生産年齢人口は今後20年間で2割程度減少する見込みであり、経済活動の縮小等が懸念される。
・経済活動をはじめとするグローバル化
情報通信技術の発展、輸送・交通手段の高速・大型化・低コスト化等により、人やモノ、資本、情報等が国境を越えて移動するグローバル化が大きく進展しており、とりわけアジア経済の動向が、県民一人ひとりの日常生活から企業活動に至るまで、あらゆる場面に影響を及ぼしつつある。このように、大きな環境の変化に伴う多くの課題がある中で、これまでの取組の延長線上にあるやり方を続けていては、立ち行かなくなる。
一方、変化に対応し、新たな発想を持って変革に挑戦することは、ピンチをチャンスに変える契機ともなる。そして、県民が享受している豊かさを維持し、生活に必要な様々なインフラやセーフティーネットを確保するためには、リスクを伴い、多くの障壁があっても、失敗を恐れず、果敢に改革に取り組むこと、すなわち「挑戦」が求められる。
経済成長により、雇用を通じて家計に富が分配され、県民の皆様の生活面での基盤を確立することができる。また、税収が確保されることで、医療、福祉、教育、社会資本など、県民生活に必要なインフラや、安心をもたらすセーフティーネットの確保に必要な行政サービスが維持できる。こうして、県民の皆様が住みやすさと安心を実感し、地域の総合的な魅力も高まっていく。
さらには、こうした魅力にひかれ、人やモノが本県に集まり活性化することで、更に経済が成長するという好循環が形成されることになる。
このような観点から、次の4つの政策分野ごとに、様々な挑戦を行う。第1は、あらゆる分野での力の源泉である「人づくり」、第2は、人口減少の中で社会を維持していくため、新しいアイデアで、モノや情報、仕組みなどを組み合わせ、新たな価値を創造する、いわゆるイノベーションを通じて強い経済をつくり、雇用を創出する「新たな経済成長」、第3は、民間では難しい公共サービスの提供などにより県民の暮らしの安心を確保する「安心な暮らしづくり」、第4は、地域の特性や資源を活用し、ほかにはない魅力を創出しながら新たな活力を生み出していく「豊かな地域づくり」である。
このうち、平成23年度においては、全ての分野に共通する基盤である「人づくり」と、雇用や所得を生み出し、ビジョンの中でエンジンと位置付けている「新たな経済成長」を重点2分野とし、これらの中でも早期に効果が期待できる施策や次世代への投資として早期に着手する必要がある施策に取り組むこととしている。
また、「安心な暮らしづくり」と「豊かな地域づくり」についても、新たな計画に基づくものや事業化への仕込み・基盤づくりに着手したものなどについて、確実に軌道に乗せ、具体的な成果を生み出すため、特に重要な施策に着実に取り組む。
これらの4つの挑戦を具体化し、推進するに当たっては、第1に本県の有する「強み」を生かすこと、第2に様々な分野において「イノベーション」を起こすこと、第3に「グローバル化」に的確に対応していくこと、第4に「県民主体」の新たな広島県づくりを行うこと、第5に市町や近隣県との「連携」を図ることを視点において、取り組んで参ります。
(2)平成23年度組織体制
「人づくり」、「新たな経済成長」の重点2分野を中心に、成果の早期実現を図るため、戦略的な行政経営を推進していく。そのため、「ひろしま未来チャレンジビジョン」をはじめとする諸計画の方針を踏まえ、成果の早期実現を図るため、新たな活力を創出するための推進体制の整備を行うとともに、経営戦略機能を強化して、政策立案から事業の実効性の見直しといったいわゆるPDCAサイクルや優先順位付け等、施策の全体的マネジメントを確立する。
また、最少経費で最大効果を発揮するという行政経営の基本原則に立ち、組織の活力を維持しつつ、最もスリムな体制を目指し、職員数の削減や組織階層の簡素化を実施するとともに、業務効率の向上に徹底的に取り組むなど、不断の行政改革を行っていく。
さらに、本年4月から、管理職員の定期昇給を廃止する一方、職員自らが目標を設定し、達成に向けたコミュニケーションを通じて職員個人や組織の育成を図る、新たな「目標管理・評価システム」を導入するなど、成果重視と能力反映の視点を強化していく。
また、昨年12月に、国の出先機関改革の取組をまとめたアクション・プランが閣議決定され、出先機関単位で全ての事務・権限について、平成26年度中の移譲を目指すとされており、中国地方においては、11月の中国地方知事会議で全体的な受入の用意があることで一致したところであり、今後、さらに具体的な検討を進めていきたい。
(3)平成23年度予算編成方針
現在、国会において審議中の国の予算案については、まず、地方財政への対応において、前年度を上回る地方交付税が確保されたことは一定の評価をしている。その一方で、さまざまな課題も残されている。例えば「地域自主戦略補助金」、いわゆる一括交付金が創設され、平成23年度は都道府県を対象に5,120億円が計上されている。一括交付金は最終的には一般財源化し、自主財源とすべきと考えるが、過渡的な措置としても、義務的なものを除き、全て一括交付金とすべきであり、金額的にも不十分と言わざるを得ない。今後とも、地方の自由裁量を拡大する制度となるよう、国に働きかけていく。
本州四国連絡橋の新たな料金割引制度については、しまなみ海道沿線の地域住民の暮らしに必要な生活道となっていることなどから、現在の割引制度を継続するよう要請するとともに、地方に対する平成24年度以降の追加的な出資の取扱いについては、引き続き、関係10府県市と連携して、国と協議していく。
さて、平成23年度当初予算は、「仕込みと基盤づくり」から「実行」へ、新たな第一歩を踏み出す重要な予算で、予算編成に当たっては、4つの政策分野の中でも、「人づくり」、「新たな経済成長」の重点2分野に集中的な財源配分を行いつつ、平成22年度補正予算と一体的で切れ目のない「緊急経済・雇用対策」を進めるとともに、「中期財政健全化計画」に基づく財政健全化の取組を進めることを基本方針として臨んだ。
具体的な編成過程においては、「県民起点」、「現場主義」、「予算主義から成果主義への転換」の3つの視座を徹底し、既存事業については、「事業仕分け」や県議会による「事業成果の検証」での指摘や意見等も参考に、事業実施の是非も含めて、改めてゼロベースからの検証を全事業を対象に実施した。
また、重点施策については、施策の効果を生み出すために必要な選択と集中を進め、従来の考え方にとらわれない、思い切った予算の再構築を図ることとした。
3 平成23年度当初予算の概要
以上の方針をもとに本県の将来を見据えて計上した新規重点事業等の予算額は154億円で、前年度の3倍となっており、特に、重点2分野の「人づくり」、「新たな経済成長」へ思い切った予算配分を行った。
さらに、財政の健全化については、「中期財政健全化計画」に基づき、弾力的かつ持続可能な財政構造の確立に向け、職員数の見直しや人件費マネジメントなどによる人件費の削減、利用計画のない土地等の売却などによる特別の財源対策、事務事業の徹底的な見直しによる政策的経費の縮減などを計画的かつ着実に実施している。
この結果、平成23年度の一般会計当初予算案の規模は、総額9,318億6千万円となり、また、実質的な県債の平成23年度末の残高は338億円減少する見込みである。
4 平成23年度主要施策
(1) 広島県の底力を引き出す4つの挑戦
・「人づくり」への挑戦
少子高齢化による労働力人口の減少は経済活力を阻害する要因となるため、その対策として、女性や高齢者を中心とした潜在的労働力を活用する必要があるが、子育て中の女性を取り巻く就労環境や定年退職者の再就職環境が十分に整備されていない現状にあるため、待機児童解消のための保育所の整備を促進するほか、保育施設と医療機関との連携による子育て支援や、生活や働き方に応じたきめ細かなサポートなど、様々な主体と連携して、仕事と子育てを両立できる環境づくりを推進する。
また、高齢者などのニーズに合った多様な就業機会を提供するため、これまで若年者を対象に実施してきたキャリア・コンサルティングを40歳以上のシニア・ミドル世代にも拡充する。
次に、現在の少子化が更に進行すれば、子どもたちが、同世代と切磋琢磨する機会が減少してしまうおそれもあり、基礎学力・体力を定着・向上させるとともに、将来にわたって、たくましく生きる力を身につけることができるよう、地域全体で子どもたちを育成する取組が不可欠であるため、これまでの成果を踏まえた授業改善の取組を強化するほか、全ての小学校1年生での35人学級を実施するなど、学校の教育活動の充実に努める。
また、新たに、高校生などが組織するグループが主体的に取り組むプロジェクト活動や、中学校区を単位とし、小中学校と家庭・地域が一体となって行う体験活動を支援する。県立特別支援学校においては、職業教育の充実を図っていく。
次に、外国の文化や言葉の理解を通じて、グローバルな感覚を持った人材の育成に努めることとし、県立学校や私立の高等学校が海外の学校と姉妹校提携を結び、留学生の相互派遣や交流活動を実施できるよう支援する。
さらに、産学官が連携して、海外からの優秀な留学生の受入や人材育成を行い、県内企業への就職につなげる取組を進める。また、優秀な外国人留学生の確保と県内への定着を図るため、県内の大学や日本語教育機関、経済団体、関係市等と連携し、「留学生活躍支援センター(仮称)」を設立して本県への留学生の受入から県内企業への就職までを総合的に支援する。
次に、本県の人口の社会減は、大学進学時及び大学卒業後の就職時における転出超過によるところが大きいと推定されることから、まずは、県内の高等教育機関の魅力向上に取り組む必要がある。このため、各大学や経済団体、高等学校関係団体などで構成する検討会を設置し、大学連携推進方策の検討を行い、実現可能な取組から着実に実施していくこととしている。
・「新たな経済成長」への挑戦
人口減少と少子高齢化による国内市場の縮小や新興国の台頭などにより、地域間あるいは国際間の競争がさらに激化する中で、本県経済が活力をもって中長期的に発展していくためには、「イノベーション力」を徹底的に強化する必要がある。
このためには、まず人材の育成が大きな鍵を握ると考えられることから、中小企業等が国内外の大学・企業・研修機関等において行うイノベーション人材の育成の取組を積極的に支援する。
また、観光産業を支える経営人材育成のためのセミナーや農業経営者を対象とした先進経営者等による公開講座の開催、就農希望者への実践研修の実施など、実践的かつ経営的視点を持った人材の育成に取り組んでいく。
さらに、活力ある経済をつくるためには、県内企業がその強みを活かし、イノベーション力を徹底的に発揮することによって、自立的に発展することが必要であり、こうした成長を支援するシステムの構築は喫緊の課題であると考えている。
こうした中、広島版「産業革新機構」は、県と民間などが連携して投資事業組合を組成し、専門の人材が成長性などを見極めたうえで、中長期的な資金を供給するとともに、技術、人材、マーケティングなどの総合的な経営支援を行うものであり、投資企業の成長を促進し、新たな雇用の創出や所得の拡大等をもたらすなど、本県経済を発展させる原動力の一つとして、極めて重要なものと考えており、引き続き、皆様とも十分に議論し、理解を頂きながら、平成23年度の設立に向けて積極的に取り組む。
県内中小企業等の研究開発活動については、事業の実現性などに関する外部機関の客観的な評価結果を企業に提供した上で、外部資金の調達や事業化を産業支援機関と連携して支援する。
また、知的財産の活用については、関係団体等との連携によるワンストップの相談窓口を設置し、県内中小企業の知的財産を活用した事業展開を支援する。
農林水産業については、生産から販売までが一体となった、ニーズに応える産業へ転換していく必要があるため、農業については、地域農業を担う集落法人などの経営力強化への取組を支援するとともに、農産物の加工業者等と生産者とのコーディネートを行うワンストップ体制の構築を通じて、マーケティング力の強化を図る。
林業については、間伐の実施や路網の整備などの森林整備を促進するほか、本年1月から稼働を始めた中国木材北広島工場を核として、県産材の年間素材生産量40万立方メートルを目指して生産流通体制の構築に努める。
水産業については、市場での評価の高い「キジハタ」と、3倍体カキのブランド「かき小町」の生産体制を強化する。
また、道路・河川等の災害対応や維持管理を担う建設業者が、経営革新を図るため、新たな分野へ進出する取組を支援する。
次に、県経済の持続的な発展のためには、世界的な金融危機からいち早く立ち直り、着実かつ高い経済成長を遂げているアジアの成長力を取り込むことが非常に重要であると考えており、 このため、アジアの国々の中でも突出した経済成長を遂げている中国・インドについては、四川省との友好提携やタミル・ナドゥ州との経済交流を最大限活用し、県内企業のビジネス機会の拡大を図るとともに、そのほかのアジア諸国や欧米などについても、積極的に支援する。
また、このような取組に加え、アジアとの取引を活発化させるためには、空港や港湾機能の強化が必要である。広島空港については、三原市大和町に通じる広島中央フライトロードが4月に供用開始し、県北部はもとより島根県東部からのアクセスが向上する。こうした中、国際チャーター便を運航する航空会社の運航経費に新たな助成を行うなど、航空ネットワークの拡充や利用促進に積極的に取り組む。
広島港及び福山港の国際コンテナターミナルについては、より質の高いサービスを提供し、国際競争力の強化を図るため、港湾経営の民営化等に取り組むとともに、中国、東南アジア航路の拡充に向け、戦略的なポートセールスを展開する。
次に、経済波及効果や雇用創出効果を早期に発揮させるため、裾野の広い観光・交流産業の振興や企業誘致、既存産業の事業拡張などによる県内投資の拡大に取り組む。
まず「瀬戸内 海の道構想」は、瀬戸内海地域のブランド力を高め、産業の活性化及び交流人口の増加によって豊かな地域社会の実現を目指すもので、今後は、本年度実施した19本の実証事業から抽出された課題等を踏まえ、瀬戸内ブランド形成に向けたプロジェクトを展開するとともに、民間企業、地域活動団体等とのパートナーシップのもと、この構想関連プロジェクト等に継続的に取り組む仕組みづくりについても検討を進めていく。
また、既に着手している宮島の弥山山頂展望休憩所や尾道糸崎港の賑わい施設などの整備についても着実に実施していく。
さらに、目的や対象を明確にした効果的な観光・交流産業の振興を図るための取組を、地域と一体となって推進していく。
国際観光については、中国地方五県が連携した誘致活動を展開するとともに、台湾、韓国をはじめ、世界的にブームとなりつつあるサイクリングに着目し、日本でも有数のサイクリングコースであるしまなみ海道等を、他県の観光資源とも組み合わせ、瀬戸内海を一大サイクリングエリアに発展させるための取組を進めていく。
国内観光については、本年7月に尾道市、福山市、三原市の3市域で開催され、本県も積極的に支援する「海フェスタおのみち」や来年1月からの大河ドラマ「平清盛」などにより、本県に注目が集まる好機であることから、大型観光キャンペーンとして、新たなコンセプトに基づく集中プロモーションを展開していく。
また、中山間地域についても、地域の「強み」を生かした観光資源を開発することなどにより、魅力ある観光拠点・エリアとするため、意欲ある地域の観光振興計画の策定を積極的に支援していく。
このような取組に加え、「ひろしまブランド」の向上を図るため、従来のアンテナショップとは異なり、飲食、物販などを通じて広島の魅力を積極的に伝えるための情報発信拠点となる「広島ブランドショップ」を東京に設置する。
また、県内への投資の拡大・促進を図るため、企業立地促進助成制度を抜本的に見直し、今後成長が見込まれる環境・エネルギー関連などの先端・成長分野について、企業の新規立地に加え、既存企業の設備投資も助成対象とするとともに、県営産業団地における土地取得助成を拡充し、これらの投資に対する助成額を引き上げる。
・「安心な暮らしづくり」への挑戦
安心できる医療サービスの提供については、昨年1月に策定した「広島県地域医療再生計画」を着実に推進するため、軽症の救急患者を受け入れる初期から、重篤な救急患者を受け入れる3次までを通じた機能強化による救急医療体制の構築や中山間地域における医療連携機能の強化などにより地域医療に必要な医療提供体制を確保し、安心できる医療サービスの提供を図る。
ドクターヘリについては、潜在需要への対応や救急現場到着までの時間短縮等を図るため、新たに専用機を導入することを前提とし、基地病院の選定や他県との連携を含めた運用方法などの準備検討を進める。
また、広島都市圏において救急患者を確実に受け入れて適切な救急治療を図るため、広島市民病院を救急医療コントロール機能を担う施設と位置付け、救急隊からの受入交渉回数4回以上の救急患者を全て受け入れ、処置を行ったうえで、必要に応じて、二次救急輪番病院等の支援医療機関へ搬送を行うなど、二次救急医療機関の連携を強化し、救急医療体制を再構築する。
「広島県地域医療推進機構(仮称)」については、県、市町、広島大学、県医師会等の医療関係者が協力し、平成23年度中に財団法人として設立する。この機構により、地域医療を担う医師等の確保や配置調整、人材育成を行うとともに、魅力ある広島の地域医療情報を発信するなど、本県独自の医師確保対策等を総合的かつ機動的に推進する。
また、今後5年間の「第七次看護職員需給見通し」においては、今後も看護職員の不足は継続すると見込まれるため、看護職員の実地復職支援研修や病院内保育所への運営支援の実施、就業環境の改善のための相談窓口の設置など、看護職員の子育て環境を充実し、離職防止や再就業を促進する支援策を積極的に推進する。
がん対策については、「広島県がん対策推進計画」及び「アクションプラン」に基づき推進しているが、来年度は市町や医療保険者が実施する「がん検診」の個別受診勧奨の取組を支援していく。また、本県独自の「がん医療ネットワーク」の対象に胃がん、大腸がんを加えることについても検討を開始し、5大がん全てについて整備を目指すなど、がん対策日本一の実現に向け、積極的に取り組む。
がん対策でも特に力点を置いた事業の一つである「高精度放射線治療センター(仮称)」の整備については、高度で効果的な放射線治療を県民の皆様に確実に提供するため、公設民営として整備を進める。なお、用地については広島市と協力して購入したいと考えている。
県東部地域における障害児療育体制の充実・強化については、学識経験者や関係市町等で構成された推進会議の報告を受け「県立福山若草園整備基本構想」を策定したところであり、同園の機能強化と施設の移転改築に向けた基本設計に着手する。
児童虐待の防止対策については、相談件数の増加や昨年夏に起きた福山市の2歳女児死亡事案なども踏まえ、こども家庭センターにおいて、児童の安全確認強化のための人員配置や市町職員の資質向上研修を充実するほか、市町が行う児童虐待防止対策の取組を支援する。
また、専門的な知識・技術を必要とする事案について助言・援助を24時間体制で行う「児童家庭支援センター」を設置することとし、運営する社会福祉法人を支援する。
地球温暖化をはじめとする様々な環境問題については、私たちの日々の生活への大きな影響が現実となりつつあるため、現在策定作業を進めている「広島県環境基本計画」に基づき、環境への負荷の少ない持続可能な地域社会づくりのため、環境と経済の好循環を目指し、地球温暖化防止を中心とした取組を、国の施策と連携し、着実に進める。
暮らしを守るための防災対策については、昨年7月の集中豪雨災害において本県が要望してきた、国の激甚災害の指定基準の見直しが行われ、庄原市が局地激甚災害の対象となる見込みである。このような予測が困難な、いわゆるゲリラ豪雨による新たな形態の災害発生を踏まえ、雨量観測データの拡充や地デジ放送を活用した情報提供を図るとともに、新しい高精度な雨量観測情報の活用に取り組むなど、防災対策の充実強化を図ることとしている。
また、防災ヘリコプターを更新することとし、新たに、ヘリコプターからの現地情報をリアルタイムで把握できるテレビ伝送システムを整備するなど、防災基盤の強化を図る。
次に、「『なくそう犯罪』ひろしま新アクションプラン」に基づき、今後5年間で「日本一安全・安心な広島県の実現」を目指すため、安全・安心なまちづくりを支えるボランティアの皆様、とりわけ若い層の参加を促し、必要な情報をきめ細かく提供する、WEB公開型犯罪情報システムを整備するとともに、事件・事故に迅速・的確に対応し、重要犯罪等の検挙に結びつける総合通信指令支援システムの高度化に向けた整備を行うこととしている。
・「豊かな地域づくり」への挑戦
過疎地域の根本的な課題解決のためには、産業として自立できる農林水産業の確立など、就業機会の創出を図る取組を進めることが重要である。このため、魅力ある中山間地域の形成に向け、産業対策を基本とした「地域の未来創造計画」の策定に取り組む過疎自治体を支援している。平成23年度については、庄原市及び世羅町の計画に基づく事業実施を支援するとともに、他の7市町についても計画の完成度が高まるよう、その取組を支援する。
また、日常生活に必要な交通手段の維持・確保を図るため、市町が運行するバス路線や地域住民が主体となって新たな交通手段を確保する取組を支援する。島しょ地域の航路については、暮らしや経済活動を支える生活航路を将来にわたって安定的に確保していくため、新たに県として維持すべき航路について、市町と連携して支援する。
さらに、イノシシ等の野生鳥獣による農林水産物への被害が深刻化しているため、来年度は市町が行う鳥獣被害対策の取組に対する総合的な支援において格段の強化を図る。
平和貢献については、本県は人類初の原爆による破壊から復興した県として、平和への取組を推進し、世界の平和実現のための拠点として、国際平和に貢献していく必要があるため、国際平和の実現に向けた具体的なプロセスの提言や、本県の平和貢献の方向性、主な取組などを取りまとめた「国際平和拠点ひろしま構想」を策定するとともに、平和のメッセージを強く発信し、国際平和貢献活動の支援につなげていく「ひろしま平和発信コンサート構想」を策定する。
(2) 緊急経済・雇用対策
本県では、今年度に入っても重ねて「緊急経済・雇用対策」を講じてきたが、現在の厳しい経済・雇用情勢に鑑み、平成23年度当初予算においても、平成22年度の2月補正予算と合わせ、総額687億円の予算を計上することとし、「雇用対策」や「地域経済活性化対策」などに取り組むこととしている。
「雇用対策」については、人材不足感の強い「福祉・介護」、「農林水産業」分野での就業促進を図るなど、雇用関連基金を活用した事業や、3,400人を超える過去最大規模の職業訓練を実施するなど、引き続き、離転職者の早期就職や在職者の技能向上などに向け、積極的に取組む。
また、とりわけ厳しい状況が続いている大学生や高校生などの新規学卒者等については、国や関係団体等と連携した就職面接会やミニ企業説明会を開催するなど、就職支援に引き続き全力を挙げて取り組む。
「地域経済活性化対策」については、県内投資を促進するため、本県の預託融資制度の設備資金の貸出利率を本年4月から1%引き下げるとともに、経営安定を図るための運転資金等の融資期間を延長する。
また、間伐等の森林整備や、広島空港アクセスの利便性向上を図るためのアクセス情報システムの整備などを実施する。
このほか、学校や病院の耐震化、道路、河川など県民の皆様の暮らしに身近な公共施設の整備・修繕、経済的理由により就学が困難な高校生等への奨学金の貸与など、県民の皆様の暮らしの安全・安心を確保していく。
(3) その他主要事業
広島西飛行場については、昨年12月に、広島市長から市営化を図りたい旨の要請があり、基本的に了解をしたところである。これに引き続く本年1月の広島市長との会談においては、市長から飛行場用地の無償貸付などについての要請があった。今後、関係議案のご議決を得たうえで、市営飛行場への円滑な移行を図るための必要な手続を進める。
広島高速5号線については、安全検討委員会においてトンネル建設に伴う地域の住民生活の安全性について検証を行っているところであり、この結論を踏まえ、適切に判断したい。引き続き、安全検討委員会の結論が早期に得られるよう努める。
出島廃棄物処分場事業の陸上搬入への計画変更については、昨年末までに実施した交通騒音実態の精査や受入施設等、諸条件の検証結果を踏まえ、地元の皆様のご意見を伺いながら、先般、見直し計画の素案を取りまとめた。今後、地元協議会の了解をいただいた上で住民説明会を開催し、地元の皆様の理解を得て、事業計画の見直しを行う。
鞆地区における道路港湾整備事業については、地域振興の観点から、これまで8回にわたり住民協議会を開催し、様々な課題について議論を重ねてきた。その間、県としても、出席者の方々の共通認識のもと、道路交通問題に係る当面の対策や下水道整備に係る技術的な説明など、可能なことから対応を行っている。今後、まちづくりに係る意見交換など、さらに本質的かつ具体的な議論を進めていただく中で、できるだけ早期に道路港湾整備事業問題の解決の方向性を見出せるよう努める。
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